新連載!第一弾「患者教育を成功させる『デンタルIQ』ってなに?」

「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」

この言葉を聞いて、すぐに「8020運動」が頭に浮かんだ人はきっとデンタルIQが高い人でしょう。

1989年(平成元年)より厚生省(当時)と日本歯科医師会が「生涯、自分の歯で食べる楽しみを味わえるように」との願いを込めて始めたこの運動。平成28年の歯科疾患実態調査によれば80歳で20本以上の歯を有する人の割合は51.2%であり、2人に1人が8020を達成しています。

一見これは素晴らしい結果のように見えますが、裏を返せば2人に1人が達成していない、すなわち80歳時点で少なくとも8本以上は自分の歯を失っているということになります。

では8020を達成出来る人と出来ない人の差はどこにあるのでしょう。

我々はデンタルIQの差だと考えます。

そもそも上記に出てくる「デンタルIQ」とは何なのか。

デンタルIQが高まるとどうなるのか。

デンタルIQを上げるためには。

そんなデンタルIQに関するあれこれを、ゆっくり分かりやすく深堀りしてみたいと思います。

ーーそもそもデンタルIQって?

“Dental Intelligence Quotient”

デンタルIQとは、歯科(デンタル)に関する知能指数(IQ)のことであり

口腔内の健康に対する意識レベルや、歯の健康に関する知識レベルを示す数値のこと。

デンタルIQが高ければ高いほど口腔ケアの知識があり、

自分の歯に気を使って綺麗に保とうとしていることになります。

そういった人は正しく歯磨きをし、定期的にメインテナンスに通い、歯周病になりにくい歯を保っています。

歯科医院側が提示する治療方法や口腔状況を理解した、セルフケアの実行度や協力度を示す歯科用語として「コンプライアンス」という指標がありますが、

これら二つの指数は比例関係にあり、コンプライアンスが高い人は、デンタルIQが高いと言えるでしょう。

よって、デンタルIQが高い人は日々のケアを怠らず、80歳になっても20本以上自分の歯を維持することが出来るのです。

では海外におけるデンタルIQのレベルはどのようなものなのでしょうか。

次回、「日本と諸外国とのデンタルIQの差」について考えてみたいと思います。